2007 Fiscal Year Annual Research Report
InNをベースとした長波長円偏光半導体レーザ創製に関する研究
Project/Area Number |
19032006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝日 一 Osaka University, 産業科学研究所, 教授 (90192947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 繁彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50189528)
江村 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90127192)
周 逸凱 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60346179)
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Keywords | 窒化物半導体 / スピンエレクトロニクス / 光物性 / 結晶工学 / MBE |
Research Abstract |
本研究では、InN窒化物半導体の潜在能力を活かし、長波長かっ円偏光の発光デバイスの創製を目指すものであり、そのためにInN,InGaNに遷移金属または希土類元素を添加して室温強磁性半導体を創製する。本年度は、プラズマ励起MBE法によりInCrN,InGaCrNの結晶成長とその評価を中心に研究を進め、次の成果を得た。 (1)成長温度450℃でInNに遷移金属元素をCr添加すると、Inドロップレットが析出しInCrNが結晶化しないことが分かった。これは、Cr-N結合がIn-N結合よりも強い結合エネルギーを持ち、活性窒素がCrとの結合を好むために、In原子が充分に活性窒素に結合できないようになるものと考えられる。 (2)成長温度を350℃に低下させ、十分な活性窒素の供給と再蒸発の抑制することにより、Inドロップレットが析出せず、InCrNが成長できることが明らかとなった。 (3)InGaNに対しても同様に成長温度350℃において、Cr添加によりInGaCrNが成長できることが分かった。 (4)X線吸収微細構造(XAFS)測定により、Cr原子周りの局所構造を調べ、(2)、(3)で成長したInCrN,InGaCrNにおいては、CrはIII族原子(In,Ga)位置を置換していることが明らかとなった。 (5)350℃で成長したCr濃度0.8%のInCrNでは、伝導型がn型で電子移動度15.6cm^2/Vsec、キャリア濃度3-4x10^<20>cm^<-3>の特性を得た。 (6)発光デバイス作製上有利な立方晶のGaCrNの結晶成長を試み、X線回折測定、XAFS測定により、立方晶GaCrNが成長できることが明らかとなった。磁化特性測定により、室温強磁性となっていることを確認した。
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Research Products
(20 results)