2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母ミトコンドリアタンパク質配送における行き先シグナル解読機構の解明
Project/Area Number |
19036007
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 周一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10252222)
|
Keywords | ミトコンドリア / 酵母 / 行き先シグナル / NMR / 膜透過 |
Research Abstract |
(1)Tim15の立体構造決定と機能解析 ミトコンドリア内膜トランスロケータのモータ機能を担うmtHsp70の補助因子Tim15の機能を明らかにするために,Tim15のコアドメインを大腸菌内で発現・調製し,そのNMR構造を決定した。決定されたNMR構造はL字型で,表面電荷の分布は不均等であった。そこで電荷分布をもとに様々な残基を置換し,変異Tim15のみを発現する酵母株の増殖を調べることにより,Tim15の機能に必須のアミノ酸残基を同定した。さらに,大腸菌細胞内で変異Tim15を発現した時のmtHsp70の溶解度を調べたところ,これらのアミノ酸残基が置換すると,mtHsp70の溶解度も低下することが分かった。したがって,Tim15の機能はmtHsp70との相互作用と関連し,その相互作用はmtHsp70を可溶性に保つ働き(Tim15は分子シャペロンmtHsp70のシャペロン)があることが分かった。 (2)Tom20とTom22の認識特異性の検討 ミトコンドリア行きシグナルの2つの受容体Tom20とTom22はともに外膜トランスロケータTOM40複合体のサブユニットで,これまで各々の基質特異性を区別して解析することが困難であった。そこで,Tom20またはTom22の受容体ドメインと膜貫通配列の間にTEVプロテアーゼ切断部位を導入し,ミトコンドリアを単離後,TEVプロテアーゼで,他のサブユニットに影響を与えることなく受容体ドメインのみを除去した。様々な基質についてin vitroでのミトコンドリアへのインポートを行ったところ,Tom20とTom22への依存性はすべての基質について同程度であった(Tom20に大きく依存する基質はTom22にも大きく依存した)。したがって,Tom20とTom22は同一のシグナル認識経路に関わることが明らかになった。
|
Research Products
(32 results)