2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロドプシンにおける高効率なG蛋白質活性化を生み出すリガンド結合サイトの分子構築
Project/Area Number |
19036008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (60127090)
|
Keywords | ロドプシン / Gタンパク質 / シグナル伝達 / 蛋白質構造変化 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究計画に沿って下記の研究を行った。 1. Split Rhodopsin(SR)の設計とそれらの機能発現解析 昨年度にロドプシンの細胞外第2ループ(ECL2)のC末端側およびN末端側で切断したロドプシンのフラグメントからロドプシンを再構成できることを発見した。そこで、この切断部位を利用して、そのN末端およびC末端側を共発現させ、ECL2の合成ペプチドとともにロドプシン分子が再構成できるかを検討した。フォールディングに関係すると考えられるさまざまな条件(pHの調製、ジスルフィド結合の有無、フォールディング促進剤の添加、フラグメント発現量の調節など)を変化させて検討したが、現在のところ再構成には至っていない。今後も発現系の変更・改良に取り組む予定である。 一方、N末端側あるいはC末端側で切断したロドプシンの反応過程を検討したところ、興味深いことに、N末端側で切断したロドプシンでは、活性状態の生成・崩壊速度が遅くなることを見いだした。一般に蛋白質のある部分に切断を加えると蛋白質部分がフレキシブルになり反応は速く進むと考えられるが、実験結果は逆になった。この結果は、反応に伴うECL2の動きがヘリックスの動きと連動していることを示し、活性状態に至る蛋白質部分の構造変化を考察するうえで重要な情報を与えると期待される。 2. 塩化物イオン依存的波長シフトに関与するアミノ酸残基の同定 これまでの研究から、Cl効果に関与するアミノ酸残基はN末端から181番目に存在するヒスチジン残基が重要であると考えられてきた。しかし、我々のマウス緑錐体視物質の研究から、Cl効果に関与するアミノ酸残基はさらに2つ存在し、齧歯類の視物質間でのCl効果の違いはこれら3カ所のアミノ酸残基の違いですべて説明できることが明らかになった。
|
Research Products
(5 results)