2007 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞における膜インターフェイスとしての細胞間接着関連分子群
Project/Area Number |
19036009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月田 早智子 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (00188517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 淳 大阪大学, 生命機能研究科, 特任助教 (00362525)
佐々木 博之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60170693)
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Keywords | タイトジャンクシ / アドヘレンスジャンクション / 膜インタフェイス / マーリン / Gene Chip |
Research Abstract |
本研究では、上皮細胞間接着装置であるアドヘレンスジャンクション(AJ)及びタイトジャンクション(TJ)を膜インタフェイスとして捉え、その領域を構築する分子群が決定すると考えられる上皮細胞の2つの性質(1)細胞密度依存的細胞増殖シグナルと(2)物質透過性バリアーについて特に焦点を当てて解析する。 1)AJにおける細胞接着シグナルから細胞増殖シグナルへの信号変換機構の解析。これは、我々が最近同定した接触阻害シグナルに関わるマーリン結合AJ局在蛋白質のノックダウン上皮細胞株を用いたGene Chip解析から、本年度は特にこのマーリン結合蛋白質に結合する、細胞密度依存的に細胞間接着装置に濃縮する新規4回膜貫通蛋白質に焦点を当てた解析を行った。培養細胞を用いての細胞生物学的な解析を始めたばかりであるが、細胞接着による増殖阻害機構や、それが障害された結果としての癌細胞の理解に繋げたい。 2)TJにおける信号変換によるバリアー制御機構の解析。これは我々が最近作製したTJ裏打ち蛋白質ZO-1/ZO-2を発現しない上皮細胞株を用いたGene Chip及びプロテオミクス解析によりTJ形成に関わる新規分子を同定し、TJ周辺におけるシグナル伝達とその調節について解析を進めるものである。本年度は、Gene Chipの解析結果から、その発現がZO-1/ZO-2の有無に大きく依存する392個の遺伝子を同定した。このうち、細胞間接着装置に存在するProtein A (tetraspanin familyに属する膜蛋白質。ZO-1/ZO-2を発現しない細胞での発現が親株細胞に比べ低下。E-cadherinと共局在。)やProtein B(1回膜貫通蛋白質。ZO-1/ZO-2を発現しない細胞での発現が親株細胞に比べ増加。E-Gadherinと共局在。)の機能解析を進めた。今後さらに他の蛋白質の解析も進めたい。
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