2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトな相互作用からなる、塩濃度に敏感な複合体の溶液構造の解析
Project/Area Number |
19036027
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
明石 知子 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 准教授 (10280728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 善文 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (70107390)
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Keywords | 蛋白質 / 生体分子 / 分析科学 |
Research Abstract |
微量で迅速に構造情報が得られ,解析対象の分子の大きさの上限がないという特徴を有する質量分析(MS)と,構成要素の構造の詳細を原子レベルで明らかにすることができるNMRを組み合わせて,ソフトな相互作用からなるタンパク質複合体の構造について解析するための方法論を構築する。これにより,膜タンパク質の解析にも適用できるような,複合体の構造解析法を確立し,タンパク質複合体の構造機能解析を加速することを目的として,今年度は,以下の事項について検討を行った。 (1)これまで検討してきた実験手法を応用し,ヒト基本転写因子TFIIFについて分子サイズを正確に決定し,溶液においてTFIIFは基本転写因子TFIIFと相互作用しないことを明らかにした。この結果は,TFIIFは,TFIIEと同様,ゲルろ過での挙動が球状タンパク質と異なるため,大きなサイズがこれまでは見積もられていたことを示すものである。また,これまでに酵母の転写開始前複合体でのフォトクロスリンク実験でTFIIFとTFIIEはDNAをはさんで対岸に位置すると示されていることと矛盾しないものであった。以上より,ヒトTFIIFは,基本的に酵母TFIIFと大差ない機序で機能すると考えられる。 (2)塩濃度により複合体の安定性が変化するような複合体の分子サイズや状態を決定するための方法をエレクトロスプレー質量分析法を中心に検討した。その結果,二重鎖DNAについては解離させずにマススペクトルを観測できる条件を本システムで決定することができた。
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Research Products
(10 results)