2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子シミュレーションによる膜タンパク質の機能的ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
19036028
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木寺 詔紀 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 教授 (00186280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 満徳 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 准教授 (60261955)
渕上 壮太郎 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 助教 (00381468)
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Keywords | 分子動力学シミュレーション / 膜タンパク質 / SRII / HtrII複合体 / HAMPドメイン / IP3受容体 |
Research Abstract |
分子動力学シミュレーションを用いて、膜インタフェイスに関わるタンパク質を計算機中で運動させることによって、それらタンパク質の機能発現の動的過程を明らかにすることを目的として、以下の課題の研究を行った。 (1)Sensory Rhodopsin II/Transducer複合体の脂質2重膜中のシミュレーション : この複合体は高度好塩菌の細胞膜にあり、負の走光性をもたらす信号伝達複合体である。この系の基底状態における脂質2重膜中の分子動力学計算を行うことによって、信号伝達の機構を推定する。TransducerのHAMPドメインを付加した複合体モデルの構築とそのシミュレーションを行いその安定性とEPR実験との整合性を確認した。 (2)IP3受容体のIP3結合ドメインの構造変化のシミュレーション : IP3受容体は小胞体膜上に存在し、IP3とCa2+の結合により細胞質にCa2+を放出するチャンネルである。その中で結晶構造の解かれているIP3結合型IP3結合ドメインについて、IP3非結合型の立体構造をシミュレーションで作り出した。その構造は、ドメイン間の多くの極性残基間の水素結合によって安定化される多様な構造アンサンブルからなる比較的閉じた構造であることが分かった。
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