2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜インターフェイスでのG蛋白質共役受容体によるG蛋白質活性化効率の制御機構の解析
Project/Area Number |
19036029
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
寺北 明久 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (30212062)
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Keywords | シグナル伝達 / G蛋白質共役型受容体 / ロドプシン / 構造変化 / Gタンパク質 |
Research Abstract |
本研究では,Gタンパク質活性化効率の違いを生み出す,多様なロドプシンの構造および構造変化の違いを明らかにすることで,GPCRのGタンパク質活性化効率すなわち信号変換効率が制御されるメカニズムを解明することを目的とする。以下の2つの解析結果を得た。 (1)Gタンパク質活性化効率が異なる2種類のロドプシン類(ウシロドプシン・パラピノプシン)のヘリックス6に存在する250番目のアミノ酸残基に蛍光色素bimaneを,システイン変異体を用いて導入することに成功した。これらの蛍光標識変異体について,水溶性消光剤KIを用いて光依存的な蛍光の消光率を解析した。その結果,パラピノプシンよりもウシロドプシンにおいて,蛍光標識したアミノ酸残基の溶媒への露出度が,光受容に伴い顕著に変化することを示唆する結果を得た。この違いは,ウシロドプシンの方がパラピノプシンよりもヘリックス6の構造変化が大きく,この構造変化の大きさの違いが両ロドプシン類のGタンパク質活性化効率の違いと連関しているのかもしれない。 (2)ヘリックス6に導入した蛍光分子に加えて,bimameの消光分子として働くトリプトファンをヘリックス3に導入した。ウシロドプシンについては光依存的な消光を検出できたが,パラピノプシンについては,ヘリックス3番にトリプトファンを導入すると発現量が著しく低下した。また,パラピノプシンの250番にトリプトファンを導入しても色素を得ることはできなかった。今後,ヘリックス3と6以外に消光分子トリプトファンを導入する必要があることが分かった。
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Research Products
(23 results)