2007 Fiscal Year Annual Research Report
Syntaxin18複合体:順行輸送と逆行輸送のインターフェイス
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19036032
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (30179569)
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Keywords | SNARE / Syntaxin18 / ZW10 / RINT-1 / p31(Use1p) / 小胞輸送 |
Research Abstract |
小胞輸送における膜融合は、SNARE(Qa-、Qb-、Qc-、R-SNARE)由来の4本のα-ヘリックスが強固に結合することで引き起こされると考えられている。我々は哺乳類細胞の小胞体膜に存在するsyntaxin18(Syn18)を同定し、Syn18(Qa)がBNIP1(Qb)、p31(Qc)、Sec22b(R)と結合していることを明らかにした。本年度は、このSNARE複合体に関して以下の成果を得た。 1)小胞体サブコンパートメント構築におけるSyn18の役割の解明 昨年度の研究で、Syn18の発現をRNAi法で抑制すると、小胞体が凝集し、小胞体出芽部位の構造も変化することを明らかにした。さらに解析を進めたところ、凝集した小胞体は滑面小胞体であり、粗面小胞体には影響がないことが判明した。この結果はSyn18が滑面小胞体と粗面小胞体というサブコンパートメントの構造を維持することに役立っていることを示唆する。また、小胞体出芽部位の構造変化は、Syn18の欠失によってゴルジ体からの逆行輸送が停止し、その結果、小胞体からの出芽に必要な膜タンパク質がリサイクルされないためであることが判明した。 2)Syn18-Sec22b二量体の形成機構の解明 昨年度の研究によって、Syn18とSec22bが結合することで、BNIP1とp31の高親和性結合が形成されることを明らかにしている。今までの構造的な研究は四量体SNAREに限られており、二量体の構造解析を行うことは、SNAREの会合機構を理解する上で重要であると考えられる。プラスミドにタンデムにSyn18とSec22bのSNAREモチーフをクローニングし、大腸菌で発現させたところ、安定な二量体として精製できることがわかった。現在、この系を利用し構造解析のための準備を進めている。
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