2007 Fiscal Year Annual Research Report
移動細胞先導端におけるアクチン動的システムの時空間的制御機構
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19037002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / 細胞運動 / ラメリポディア / LIMキナーゼ / コフィリン / FRAP / 蛍光イメージング / Dronpa |
Research Abstract |
アクチン骨格の再構築は、細胞の形態変化、移動、分裂など細胞の動的活動を支える重要な役割を果たしている。移動細胞の先導端にはラメリポディアとよばれるアクチン骨格を主成分とする突起構造が形成され、細胞運動を制御するマシーナリーとして機能する。アクチン脱重合因子であるコフィリンは先導端ラメリポディアに局在し、アクチン脱重合因子としてアクチン繊維の脱重合を促進すると考えられているが、細胞内では、刺激に応答したアクチン重合ならびにラメリポディアの形成と伸長に必要であることが知られている。このような刺激依存的な細胞内アクチン重合の促進機構を解明するため、可逆的な光活性化蛍光蛋白質であるDronpaとアクチンの融合蛋白質を用いて細胞内アクチンモノマーの含量を生細胞で測定する系を開発した。細胞質で局所的に発光させたDronpa-アクチンの蛍光の減少速度を測定することによって、生細胞内のGアクチン/Fアクチン量を定量化することが可能になった。LIMキナーゼの過剰発現やコフィリンのノックダウンによるGアクチン量の変化を解析し、コフィリンは細胞質アクチンモノマーの半分以上の産生に寄与していることを明らかにした。また、刺激依存的なラメリポディアの形成には、コフィリンの活性に依存したアクチンモノマーの供給が必要であることを明らかにした。次に、Dronpaが可逆的に消光と発光を繰り返すことができることを利用して、アクチンモノマー量の経時的な変化を解析する系を開発した。本法を用いて、ニューレグリン刺激依存的な細胞内のアクチンモノマー量の変化を測定し、刺激後2-3分後にアクチンモノマーは大きく減少することを見出した。
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