2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19037014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石浦 正寛 Nagoya University, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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Keywords | 生物時計 / 概日リズム / 時計タンパク質 / ナノバイオ / ナノマシン / 自己リン酸化 / ATPase活性 / DNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
藍色細菌の生物時計分子装置は、主に3つの時計タンパク質、KaiA、KaiB、KaiCから構成されている。これらの3つのタンパク質は、ATP存在下の試験管内で24時間周期の自律振動を生み出す。3つのタンパク質が互いに複合体形成、生化学的修飾を行い、構造変化、状態変化することによって時計発振が起こると考えられているが、その分子機構は明らかでない。我々は、NMR(核磁気共鳴)やESR(電子スピン共鳴)を用いて、Kaiタンパク質の時間発振にともなう分子構造の変化を明らかにしようとしている。また、時計タンパク質の1つKaiCの活性を生化学的に解析し、KaiCが弱いATPase活性を有することを明らかにした。この活性は、時計タンパク質KaiAによって促進される。KaiCの2つの活性、ATPase活性と自己リン酸化活性を持っている。我々は自己リン酸化によってKaiCのATPase活性が抑制される関係にあることを示した。このようなKaiC自身による活性制御機構は、KaiCの持つ温度補償性などを説明することができる。 時計関連タンパク質PexおよびSasAの解析も進めている。外部環境の変化を生物時計に伝達するインプット経路を担うタンパク質、Pexは、結晶構造解析よりPexがPadRファミリーに属するwinged-helix proteinであることを明らかにした(投稿中)。そして、遺伝学および生化学的解析によりPexがkaiA遺伝子の上流域に結合し、kaiAの発現量を制御していることを明らかにした。したがってPexはKaiA量を調節することで、周期を制御していると考えられる。
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Research Products
(12 results)