2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19037017
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
箱嶋 敏雄 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (00164773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 良憲 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (50452529)
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Keywords | CLIP-170 / チューブリン / EB1 / APC / CLASP |
Research Abstract |
CLIP-170は微小管ダイナミックスを制御する+端結合タンパク質の基本型であるが、+端認識や重合促進機構については不明であった。ここでは、CLIP-170の2つの直並CAP-Glyドメイン、CAP-Gly1とCAP-Gly2の結晶学的、NMRならびに変異解析による構造ならびに相互作用解析を解析した。その結果、CLIP-170は、2つのCAP-Glyドメインのもつ正に荷電した溝によるチュービュリンと結合すること、また、より正に荷電したCAP-Gly2ドメインが、α-チューブリンのC-末端酸性テールのEExEEY/Fモチーフを直接認識することを明らかにした。更に、ダイナクチンのpl50^GluedのCAP-Glyドメインは弱く正に荷電した表面をもち、チューブリンの酸性テールとは弱くしか相互作用できないことや、CLIP-170のC-末端の亜鉛に配位したナックルドメインは、CLIP-170のCAP-Gly2ドメインの塩基性の溝に結合して、CLIP-170の酸性テールへの結合を自己阻害することも示して、CLIP-170のチューブリンとの微小管+端への提案されていた共重合機構への構造的基礎を与えた。CHP-170はEB1の酸性テールにも強く結合するので、+端に局在したEB1がCLIP-170の+端への会集に寄与することを示唆した。 以上のことより、CLIP-170がチューブリンの負電荷をCAP-Glyドメインの正に高度に荷電した溝によって中和することにより、微小管の重合と核形成を促進することを提案した。微小管に結合したCLIP-170は、遊離した亜鉛に配位したナックルドメインとpl50^GluedやLISlとの相互作用を通して、ダイニンの+端への会集を推進するというダイニンの微小管+端への装填の構造的基礎も与えた。
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