2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19037022
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
宗行 英朗 Chuo University, 理工学部, 准教授 (80219865)
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Keywords | ナノバイオ / 分子モーター / 生物物理 / 一分子計測 |
Research Abstract |
平成18年度までに回転電場法によって,F_1-ATPaseに時間空間的に均一なトルクをかけることに成功したが,同時に電圧の印可に伴う電流によって温度上昇が起こるという問題が発生した.この問題のため,得られた結果の解釈は定性的にとどまらざるを得なかったが,それでも外部トルクによってステップの時間間隔と角速度が変化することがわかり,ここでひとまず,その挙動を論文として発表した.その後,この温度上昇の問題に対して溶液条件,セルの構造,回転観察用ビーズの大きさなどを検討し,温度上昇を問題にならない程度まで軽減することに成功した.録画系,データ処理系に関しても改良を行い,1000fpsで撮影した動画を撮影と同時に重心解析をしながらハードディスクに取り込むシステムを構築した.このことにより以前に比べると飛躍的に実験が楽になり,順調にデータがとれるようになった.今後,外部トルクのステップ回転に対する効果をより定量的に評価して,ステップを起こす時の遷移状態に関する情報を得てゆく予定である. また,当初の計画にあった全反射照明系の構築をおこない,倒立型顕微鏡での観察が可能になった.全反射照明系の自作の過程で,必ずしも理想的な設計になっていなくても全反射照明ができることがわかったので,今後の正立顕微鏡への応用に自信が持てた.
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Research Products
(9 results)