2007 Fiscal Year Annual Research Report
規則配列する分子モーター集合体におけるシステム制御機構
Project/Area Number |
19037024
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 団 Waseda University, 付置研究所, 講師 (40350475)
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Keywords | バイオイメージング / 細胞骨格・運動 / 細胞内・細胞間情報伝達 |
Research Abstract |
本研究では、筋肉をミオシン分子モーターが規則的配列をとった集合体システムであると捉え、研究を進めている。その目的の一つは、筋収縮制御タンパク質トロポニン・トロポミオシン複合体がアクチン・ミオシン間相互作用を調節することで、システムがシステム全体としてどのような制御を受けているのかを明らかにすることである。 本年度は、骨格筋から調製した筋原線維(太さ約1μm、長さ数10μm)の、筋節長一発生張力関係を中間活性化条件で顕微解析し、新しい関係を見出した。さらに、自発的に振動する条件が存在することを見出した。すなわち、タンパク質集合体である筋収縮系は、それ自体で自発的に振動する動特性を持っていることが明らかになった。この研究の成果は、2007年にBiophys. J.誌に、また2008年にBiochem. Biophys. Res. Commun.誌に発表した。 また、績胞を集合体システムとして捉え、細胞機能を制御しようとする研究にも拡張・発展させた。これまでに、数10μmオーダーの領域に対して、室温から沸点までの任意の大きさの温度変化を、上昇/下降速度が約30msで与えることのできるミクロ熱励起法を開発してきた。この手法をHeLa細胞へ応用し、室温付近で2℃以上の温度ジャンプを与えると、元の温度へ急速に戻った直後に細胞内小胞からCa2+の開口放出が促され、それに引き続き細胞内[Ca2+]振動が生じるという予備的結果を得た。この現象は、細胞内小胞膜におけるCaチャネルとCaポンプそれぞれの活性が、外部からの温度変化により変調可能であることを示唆している。
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