2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19038003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥脇 暢 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50322699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 恭介 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40180492)
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Keywords | 核小体 / クロマチン / リボソーム / rRNA / 転写 |
Research Abstract |
真核細胞の細胞核には数十億塩基対にも及ぶ膨大な染色体DNAが収納されている。DNAは核内で一様に分布するわけではなく、遺伝情報を効率よく発現するために機能領域を形成している。核小体はリボソームを合成する場であり、リボソームRNA(rRNA)の転写・切断・修飾が協調的に行われる場である。核小体をはじめとする核内の機能領域がどのように形成され、その構造が維持されるのかはまったくわかっていない。本研究では、核内の機能領域の一つである核小体の構造形成の分子メカニズムを解明することを自的として研究を進めている。核小体は、リボソームRNA(rRNA)遺伝子を含む染色体領域(Nucleolar Organize Region, NOR)を中心に、rRNAの成熟に関わるタンパク質一RNA複合体(RRNP複合体)が集合して形成される。これまでの解析からRRNP複合体がNORと相互作用する事、この相互作用にはRNAが重要な役割を担っている事が明かになっていた。RRNP複合体がNORと相互作用する分子機構を解明する事が本年度の目的であった。NOR領域を規定しているのはrRNA遺伝子を含む染色体領域に相互作用する何らかの因子であると考えられる。そこで、この条件を満たす因子Upstream Binding Factor(UBF)着目した。その結果、UBFは直接RNAと相互作用することが明らかとなり、RNP複合体をNORにリクルートする活性があることが示唆された。実際、細胞内においてUBFの発現量を抑制すると、RRNP複合体のNORとの相互作用が著しく減弱した。以上の結果より、RRNP複合体の少なくとも一部はUBFを介してNORと相互作用することが示唆された。今後はUBFがどのように特定のRNPを核小体にリクルートするのか?NORを規定するUBF以外の因子はないのか?といった疑問を解明すべく研究を進める。
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Research Products
(11 results)