2007 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞系列における核内構造変化と核のリプログラミングについて
| Project/Area Number |
19038005
|
|---|
| Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
|---|
Principal Investigator |
山縣 一夫 The Institute of Physical and Chemical Research, ゲノム・リプログラミング研究チーム, 研究員 (10361312)
|
|---|
| Keywords | 生殖細胞系列 / 核内構造 / リプログラミング / ライブセルイメージング |
|---|
| Research Abstract |
哺乳動物の生殖細胞系列においては、配偶子形成過程から受精を経て初期胚発生に至るまでの間に核内構造のダイナミックな形態および分子レベルの変化が見られる。これら一連のプロセスをバイパスして生まれる体細胞クローンでは様々な発生異常が知られていることから、生殖系列における核内構造変化が正常な発生に対していかに重要であるかわかる。そこで本申請では生殖細胞系列における核内構造の特殊性とその生物学的な意義を明らかにすることを最終目標としながら、特にセントロメア領域に着目しつつ(1)減数分裂期細胞や初期発生胚における特定遺伝子領域の核内配置(テリトリー)をライブセルイメージングや3D-FISHなどを用いて解析し、(2)そこで得られた結果を体細胞や体細胞クローン胚と比較する。合わせて、生殖系列で見られる核のリプログラミングの発生における重要性と分子メカニズムに関して新しい知見を得ることを目標にしている。本年度では、これまでに確立したマウス初期胚のライブセルイメージングシステムをさらに改良し、1細胞期から胚盤胞期までの長時間にわたり、同時に100個以上の胚を高倍率で蛍光観察できるような条件を検討した。このシステムを用いて、クローン胚の核におけるDNAメチル化状態の変化を着床前初期胚発生の間観察し続けることに成功した。その結果、通常受精胚とは明らかにことなり、クローン胚ではゲノムDNAが高度にメチル化されており、それが桑実胚、胚盤胞期胚まで続くことが明らかとなった。
|
