2007 Fiscal Year Annual Research Report
カエル胚を用いた核ダイナミクスの新規バイオイメージングシステム
Project/Area Number |
19038017
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩尾 康宏 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (10144916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 秀一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80363092)
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Keywords | 分子イメージング / 核内移行 / 細胞周期 / 細胞分化 / 両生類 / PTEN / PCNA / クエン酸合成酵素 |
Research Abstract |
我々が開発した透明化カエル卵(割球)を用いて蛍光融合タンパク質、蛍光色素と共焦点レーザ(蛍光)顕微鏡により全細胞周期でのリアルタイムイメージングをおこなった。今回PCNAによるS期のDNA合成開始などを蛍光融合タンパク質の発現により解析した。また、核内のPI3経路に関わるPTENの分布と分子間相互作用を解析した。さらに、これらの上位シグナルと考えられる核内Caイオンの濃度変化の核機能制御での役割を明らかにした。未受精卵または第3卵割直前の受精卵を適度に遠心力することで細胞膜は壊さずに分層させた。透明化細胞質中に核、ミトコンドリアや小胞体などの細胞内小器官が分布し、受精卵の核は同調して分裂を続けて細胞質分裂が起きるので、ほぼ透明な細胞質のみをもつ単離割球が多数得られた。この透明化割球に機能分子と蛍光タンパク質(EGFP、Ruby等)の融合タンパク質を発現させて蛍光顕微鏡とスペクトル解析の可能な共焦点レーザー顕微鏡を用いたバイオイメージングによるリアルタイムに解析した。S期でのDNA合成の進行中にはPCNAがドット状の空間分布をすることが明らかになり、これらの蛍光融合タンパク質の解析によりG2期の開始を生きた細胞で観察することが可能となった。また、核内D-3フォスフォイノシドのシグナルに関わるPTENの機能欠損体の過剰発現やモリフォリノオリゴでの阻害により、PTENはMBT後に核へ移行し、細胞周期を伸長させることで形態形成に必要な細胞運動を可能にしていることがわかった。また、このPTENの核移行は細胞内Ca濃度の上昇をシグナルとして起きていることもわかった。さらに、我々はミトコンドリア外のクエン酸合成酵素がM期解除に重要な核内のCa濃度の変化を引き起こして核内に移行し、この分子がMBTの発生の進行に必須であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)