2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヒストン脱メチル化蛋白質によるリボゾームRNA遺伝子のクロマチンの調節
Project/Area Number |
19038021
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
常岡 誠 Takasaki University of Health and Welfare, 薬学部, 教授 (50197745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬田 敏幸 産業医科大学, 産業医学支援施設, 准教授 (30213482)
金子 雅文 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助手 (50433636)
田中 祐司 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助手 (90453422)
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Keywords | リボソームRNA / 転写調節 / クロマチン / ヒストン / メチル化 / 脱メチル化酵素 |
Research Abstract |
リボソーム合成は細胞の全エネルギーの50-80%も消費する、細胞が最もコストをかけている現象であり、その合成量は正常個体における個々の細胞の大きさ、がん化に影響する。リボソーム合成の第1段階はリボソームRNA転写であり、これがリボソーム合成量決定の大きな要因となっている。しかし、調節メカニズムはまだ十分に理解されていない。近年ヒストンメチル化修飾が遺伝子発現制御に重要な役割を持つことが明らかにされてきた。しかしリボソームRNA遺伝子に関してはほとんど研究されていない。申請者はヒストン脱メチル化活性をもつJHDM1a/KDM2a及び脱メチル化活性の活性中心となるドメインをもつPHF2がリボソームRNA転写の場である核小体に存在することを明らかにした。そこで、これ等の蛋白質がリボソームRNA転写を調節する可能性について検討した。 JHDM1aは2つメチル基が36番目のLysに付加されたヒストンH3(H3K36me2)を特異的に脱メチル化する。血清飢餓などの条件によりリボソームRNA転写量を変化させたところ、リボソームRNA遺伝子に結合するH3K36me2の量が遺伝子全長にわたって変化した。さらにJHDM1a/KDM2aの発現をRNA干渉法により減少させたところ、新生rRNAの発現量が変化した。以上の結果はJHDM1a/KDM2aがヒストンメチル化修飾を調節し、リボソームRNA転写を調節している可能性を示唆している。
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