2007 Fiscal Year Annual Research Report
核膜サブドメインを形成する分子基盤と形成機構の解析
Project/Area Number |
19038027
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今本 尚子 The Institute of Physical and Chemical Research, 今本細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 昌俊 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 専任研究員 (60324779)
小瀬 真吾 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 専任研究員 (90333278)
|
Keywords | 核膜 / Emerin / LBR / 核膜前駆体小胞 / 細胞分裂期 / 分裂期染色体 / セミインタクト細胞 / 核-細胞質間輸送因子 |
Research Abstract |
細胞分裂期抽出液から調整した膜画分をsucrose gradientで分画し、異なる核膜ドメインを形成するEmerinとLBRの特異抗体を用いて、それぞれが異なる膜小胞に乗っているか否かについて生化学的に検討した。その結果、EmerinとLBRが、重さの異なる膜小胞にのっていることが示された。これらの核膜前駆体と考えられる小胞が、分裂期染色体にターゲットして核膜が形成される過程の解析系を、以下の手順で構築しようとしている。まず、これらの小胞が、細胞膜を可溶化する界面活性剤ジギトニンで処理しても、分裂期細胞の中に保持されていることを確認した。そこで、ジギトニン処理で作製したセミインタクト分裂期細胞内に保持されている核膜前駆体小胞が、細胞抽出液やATP/GTPの存在に依存して、細胞分裂期進行過程のいつ、分裂期染色体上のどこにターゲットするのかを調べる計画をたてた。そのために、部位特異的組換え反応(Flp/FRT)と転写干渉を防ぐインシュレーターを組み込んで、複数のcDNAを効率よく同時に細胞内に導入して発現させるマルチ遺伝子発現システム(共同研究で開発)に、YFPとCFPを結合したEmerinとBRを導入して、2つの遺伝子を安定に発現する細胞株を取得した。今後、この細胞の、セミインタクト分裂期細胞を調整して、核膜前駆体小胞が分裂期染色体にターゲットして核膜が形成される過程を解析する予定である。同じく、セミインタクト分裂期細胞を利用した実験では、クロモキネシンKidが、importin betaと、低分子量GTPaseRanといった、2つの核一細胞質間輸送因子に依存してはじめて分裂期染色体にターゲットするという、全く思いがけない結果を得た。そのアナロジーが、核膜前駆体小胞の染色体へのターゲットにも適用できるかは、極め興味深い問題であると考えている。
|
Research Products
(11 results)