2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19039002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 歩 Hokkaido University, 低温科学研究所, 教授 (10197402)
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Keywords | 葉緑体 / プロテアーゼ / クロロフィル / 代謝 / 酵素 |
Research Abstract |
クロロフィル代謝の中間体は、活性酸素を発生させたり、生物活性のない分子に容易に変換される性質を示すと同時に、葉緑体シグナルとしても機能している。そのため、クロロフィル代謝は厳密な制御が要求される。クロロフィル代謝に関して多くの制御機構が提唱されているが、その厳密な制御は依然不明である。 クロロフィリドaオキシゲナーゼ(CAO)はクロロフィルaをクロロフィルbに転換する酵素である。この酵素は、クロロフィルbの合成を通じて、集光装置の大きさを制御する働きがあり、光環境に応じた制御を必要としている。クロロフィルbの量はCAOタンパク質の蓄積によって制御されている。CAOはA、B、Cの3つのドメインから構成されている。そのうちAドメインがCAOタンパク質蓄積の制御に関わり、その制御はClpプロテアーゼによるCAOの分解によるものであること、さらにAドメインの内部に存在する10アミノ酸配列が自身の分解に関わっていることが明らかになった。本年度は、この配列(分解シグナル配列)が他の葉緑体タンパク質に存在するのかを検討した。そこで、分解シグナル配列と相同な配列を持ったタンパク質を検索した。その結果、光化学系IIの中心集光装置であるCP43とCP47に、分解シグナル配列と似た配列が存在することを見出した。そこで、この配列を葉緑体移行シグナルを持ったGFPと融合させ、シロイヌナズナに導入し、そのタンパク質の蓄積を調べた。その結果、この配列と融合させたGFPの蓄積は強く阻害された。これらの結果は、CAO内に見出した分解シグナル配列は葉緑体タンパク質蓄積制御に広く用いられていることを示している。
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[Journal Article] Two Short-Chain Dehydrogenase/Reductases, NON-YELLOW COLORING 1 and NYC1-LIKE, are Required for Chlorophyll b and Light-Harvesting Complex II Degradation during Senescencein Rice2008
Author(s)
Sato, Y, Morita, R, Katsuma, S, Nishimura, M, Tanaka, A and Kusaba, M
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Journal Title
Plant J 57
Pages: 120-131
Peer Reviewed
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