2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境シグナル応答性の細胞壁構造タンパク質の機能と細胞壁内移行
Project/Area Number |
19039003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西谷 和彦 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60164555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90302083)
|
Keywords | 植物 / タンパク質 / 細胞壁 / プロテオーム / 分泌 |
Research Abstract |
グリシンリッチ糖タンパク質のmRNAは花茎基部の維管束柔細胞で特異的に発現するが、そのエピトープは木部道管で特異的に検出された。この結果はGRP1が分泌後に細胞壁内を移送され,発現細胞とは別の細胞の細胞壁に局在することを示している。GRP1を欠損したgrp1のホモ変異体ではタンパク質の発現部位とは異なる部位で顕著な表現型を示し、花茎上部の茎頂の直下が枯死した。grp1ホモ変異体に野生型GRP1遺伝子を導入し、相補実験を行ったところ表現型は回復しなかった。GRP1 mRNAレベルを低下させたGRP1-RNAi形質転換体についてのこれまでの解析では、茎頂直下が枯死する顕著な表現型はRNAiラインでも認められていない。したがって、現時点では「茎頂の直下が枯死」する顕著な表現型がGRP1遺伝子欠損によるものと結論できない。 シロイヌナズナ花茎の二次細胞壁形成に関わる数種の細胞壁遺伝子群の発現は、花茎を横倒しにすると減少し、逆に荷重を掛けることにより増加することを明らかにした。この結果は、シロイヌナズナ花茎の二次壁形成が花茎に掛かる負荷を何らかの形で感受して制御されているとする仮説を支持している。 細胞壁中でのタンパク質の動態を包括的に解析するため、シロイヌナズナ根をカルス誘導培地に移し、その前後の細胞壁タンパク質解析を進めた。根がカルス化する過程では細胞壁タンパク質の分泌/回収が激変すると期待されるので、この時に変化するタンパク質の中で、同一遺伝子にコードされながら多様な修飾を受けている分子種を見いだした。
|