2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境シグナル応答性の細胞壁構造タンパク質の機能と細胞壁内移行
Project/Area Number |
19039003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西谷 和彦 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60164555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90308023)
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Keywords | 植物 / タンパク質 / 細胞壁 / プロテオーム / 分泌 |
Research Abstract |
シロイヌナズナ花茎の二次細胞壁形成に関わる数種の細胞壁遺伝子群の発現は、花茎を横倒しにすると減少し、逆に荷重を掛けることにより増加することを明らかにした。この結果は、シロイヌナズナ花茎の二次壁形成が花茎に掛かる負荷を何らかの形で感受して制御されているとする仮説を支持している。シロイヌナズナ花茎の基部にAtPME61はペクチンを脱メチル化する酵素をコードし, シロイヌナズナ花茎基部の皮層の特定の細胞列で特異的に発現していることを実証した, このタンパク質機能の欠損により花茎の力学的強度が低下し, 支持組織機能に支障が生じた。ヒメツリガネゴケゲノム内に32のXTH遺伝子(PpXTHs)のORFを同定し, 個々の遺伝子についての組織特異的発現様式を明らかにした。更に, GUS融合タンパク質を発現させた形質転換体を用いてPpXTH32が原子体の原形質内に局在することを見いだした。これらの結果は, 維管束植物とは異なる進化戦略をとって, 陸上で生きるコケの形態形成においてもXTH遺伝子群が組織特異的役割を担っていることを示している点で興味深い。細胞壁タンパク質のファミリーのメンバーの中にも細胞内に局在するものがある点も興味深い。OsXTH19がイネのキシログルカンに作用し, 細胞伸長の制御に関わることを組換えタンパク質による酵素反応機構およびRNAi形質転換体の解析より明らかにした。grp1変異体を用いて解析を進めてきたグリシンリッチ糖タンパク質GRP1の機能と分泌後の細胞壁中移行に関する研究は, 変異体の機能解析が困難であることが判明したため実施を取りやめた。
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Research Products
(13 results)