2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答における植物二次代謝発現制御の分子機構解明
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19039006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 真巳 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (70222370)
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Keywords | キノリチジンアルカロイド / インドールアルカロイド / カンプトテシン / ポリアミ生産 / 代謝進化 / トポイソメラーゼI |
Research Abstract |
環境応答により発現変動する植物二次代謝について、生合成経路を構成する触媒酵素遺伝子、転写制御遺伝子の探索と機能解析を行った。ルピナスにおけるキノリチジンアルカロイド生合成について、アルカロイドを生産するビター品種と非生産のスイート品種を用いてビター品種特異的な遺伝子をプロファイリングし、アルカロイド生産に関与するリジン脱炭酸酵素遺伝子を単離した。組換え酵素の反応特性を解析し、リジンを優先的に脱炭酸し、ポリアミンのカダベリンを生産する酵素であることを明らかにした。このタンパク質に特有なアミノ酸変異は、キノリチジンアルカロイド生産植物に特異的であることが示された。また、抗ガン剤原料カンプトテシンを生産するアカネ科チャボイナモリ毛状根に特異的に発現するCYPならびにERF転写因子についてRNAi法による遺伝子抑制を行い、代謝物蓄積への影響を調べることにより、これらが関与する生合成ステップを推定した。さらにトポイソメラーゼを強力に阻害して細胞毒性を示すカンプトテシンを生産する植物の自己耐性機構について解明した。その結果、生産植物の進化において、カンプトテシンの標的タンパクの変異とともに代謝の進化が起こったことが推測された。このように代謝進化とタンパク質の分子進化の関係を明らかにした。
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Research Products
(5 results)