2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19039011
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 朗 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (70303112)
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Keywords | ペルオキシソーム / 分子シャペロン / 環境ストレス / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
高等植物のペルオキシソームには複数の分子シャペロン様タンパク質が局在するが,それらの生理的機能は不明である。申請者は材料としてシロイヌナズナを用い,分子生物学,生化学,分子遺伝学の手法によってシャペロン様ペルオキシソームタンパク質の生理機能解析を行った。その結果,(1)低分子量熱ショックタンパク質ホモログであるAtHSP15.7の過剰発現によりペルオキシソーム酵素の熱ストレス耐性が上昇するとと,(2)同じく低分子量熱ショックタンパク質ホモログであるAtMP27の欠損によって種子の形成が不全になることが明らかになった。また(3)シャペロンドメインを有する新奇ペルオキシソームタンパク質としてAtDeg15を新たに同定し,AtDeg15欠損シロイヌナズナの解析によって,(4)AtDeg15が前駆体型ペルオキシソームタンパク質の輸送後プロセシングを担うプロセシング酵素であることを明らかにした。さらに(5)AtDeg15の欠損はβ酸化系の機能低下をもたらすことも明らかになった。以上の結果は,分子シャペロン様タンパク質がペルオキシソームにおけるストレス耐性だけではなく,ペルオキシソームのバイオジェネシスや細胞形成に関与することを示唆する。次年度はこれら分子シャペロン様ペルオキシソームタンパク質の作用機構について具体的に解析を進めてゆく予定である。
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Research Products
(2 results)