2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19039020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 慎吾 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10192626)
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Keywords | アクチン結合蛋白質 / アクチン細胞骨格 / カルシウムイオン / カルモデュリン / 細胞膜ゴースト / ビリン / ホウレンソウ / 葉緑体 |
Research Abstract |
葉緑体は異なる光条件下で細胞内の特定の位置に定位し、光合成の最適化に寄与する。その際、葉緑体は表層細胞質に対して積極的にアンカーされると予想される。我々は、ホウレンソウ葉肉細胞から細胞膜の細胞質側を露出させた細胞膜ゴーストを調製し、葉緑体のアンカー機構について解析している。弱光下で調製した細胞膜ゴーストには多数の葉緑体が付着しており、それらを取り囲むようなアクチン繊維がみられる。細胞膜ゴーストをアクチン脱重合剤で処理すると、アクチン繊維の消失および葉緑体の脱離が誘導されることから、葉緑体のアンカーはアクチン繊維に依存することが明らかとなった。さらに、細胞膜ゴーストを1μM以上のCa^<2+>で処理した場合も、アクチン繊維の切断もしくは脱重合および葉緑体の脱離が誘導された。Ca^<2+>処理の効果はカルモデュリン拮抗剤W-7により打ち消された。 そこで、Ca^<2+>-カルモデュリンに依存したアクチン脱重合活性を持つアクチン結合蛋白質であるビリンに注目して解析を進めた。テッポウユリで同定されたビリンP-115-ABPおよびP-135-ABPに対する抗体は、ホウレンソウ緑葉において、それぞれ120kDa、135kDaのポリペプチドを認識した。また、DNaseIアフィニティカラムクロマトグラフィにより、これらのポリペプチドがCa^<2+>感受性のG-アクチン結合能を持つことがわかった。生葉切片を液体プロパンを用いて急速凍結し、凍結置換・凍結固定後、抗体染色を行なった。P-115-ABP抗体では葉緑体近傍にドット状の染色がみられた。P-135-ABP抗体では葉緑体周辺および細胞質に繊維状の染色がみられ、アクチン抗体による染色パターンと似ていた。以上から、120-kDaポリペプチドは葉緑体のごく近傍に局在し、135-kDaポリペプチドは葉緑体周辺のアクチン繊維と共局在していることが類推された。
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Research Products
(7 results)