2007 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体膜から核へ移行するbZIP型転写因子のタンパク質切断機構の解明
Project/Area Number |
19039023
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小泉 望 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (20252835)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 小胞体 / 転写因子 / シヤペロン |
Research Abstract |
植物の小胞体ストレス応答で機能する転写因子AtbZIP60は通常は小胞体膜に局在し,小胞体ストレスにより,タンパク質レベルで切断され核へ移行する。このタンパク質切断機構を明らかにすることを主たる目的に研究をおこなった。膜タンパク質の切断に関与するRIPプロテアーゼのシロイヌナズホモログ12個の遺伝子破壊株についてホモ接合体を単離したが解析の結果これらのRIPプロテアーゼはAtbZIP60の切断には関与しないと考えられた。AtbZIP60欠損変異体ではAtBiP3の誘導は殆ど起こらないことから,AtBiP3プロモーターで制御されるGUS遺伝子(AtBiP3 : : GUS)を導入したシロイヌナズナを作成した。この植物はではツニカマイシン処理により100から1000倍のGUS活性の誘導が確認された。GUS活性を指標としたスクリーニングのためにAtBiP3::GUSをホモに持つシロイヌナズナの種子を約5万粒採取した。 さらに小胞体ストレス応答の制御に関わると考えられるAtbZIP28を単離した。 GFPとAtbZIP28の融合タンパク質は,ツニカマイシン処理により小胞体から核の移行が観察され,AtbZIP28もAtbZIP60と同様に小胞体から核へ移行して機能する転写因子であると考えられた。また,AtbZIP60は通常条件下で生育したシロイヌナズナでは,主として葯で発現し,切断されることを明らかとした。ツニカマイシンにより強く誘導される遺伝子TINl(Tunicamycin induced 1)は,植物特異的な配列を有し,その発現誘導にはAtbZIP60が関与していた。TINlは,ストレス非存在下では,花粉で非常に強い発現を示し,TIN1の遺伝子欠損株は花粉の形態異常示した。
|
Research Products
(4 results)