2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19039028
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
丹羽 康夫 University of Shizuoka, 生活健康科学研究科, 助教 (00222191)
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Keywords | 植物 / 葉緑体 / 機能亢進 / ペプチド / シロイヌナズナ / 細胞内局在 / 伸長阻害 / 分泌経路 |
Research Abstract |
分化全能性は植物が持つ重要な特徴の一つである。緑色の植物細胞が脱分化過程を経て再分化する際に、その細胞内の色素体は、葉緑体からプロプラスチド、さらに再び葉緑体へと変換する。ゴルジ体に局在する受容体型キナーゼ、さらには分泌経路に局在するタンパク質の機能亢進によりプロプラスチドから葉緑体への分化誘導能が確認された。そこで、それらの遺伝子の同定、さらには、機能をポストゲノム的解析手法で明らかにすることにより、分泌経路を介した色素体の分化制御メカニズムを分子レベルで明らかにすることを目的としている。 機能亢進によりプロプラスチドから葉緑体への分化誘導を示したシロイヌナズナ変異体についてその原因遺伝子の同定を試みた。最初に、変異体において発現量が増加している遺伝子を原因遺伝子の候補として検索した。候補となった遺伝子について、その過剰発現により葉緑体の分化が誘導可能かどうかを検討したところ、第3染色体上の119個のアミノ酸をコードする遺伝子が変異の原因遺伝子であることが明らかになった。アミノ酸の配列情報から、その遺伝子産物は分泌経路への局在が示唆されたため、緑色蛍光を発するタンパク質を利用した細胞内局在解析を行った結果、小胞体において強いシグナルが観察された。また、ここで同定された遺伝子のタバコでのホモログが、培地のアルカリ化を引き起こすことが知られていたため、同様のアッセイを行ったところ、培地のアルカリ化を引き起こす活性を有していることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)