2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物オルガネラにおけるヌクレオシド2-リン酸類緑体の代謝制御
Project/Area Number |
19039032
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
重岡 成 Kinki University, 農学部, 教授 (80140341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 和也 中部大学, 応用生物学部, 講師 (90379561)
|
Keywords | 植物 / Nudix hydrolase / 酸化ヌクレオチド / ADP-リボース / ストレス応答 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
Nudix (Nucleoside Diphosphate linked some moiety X) hydrolaseは、酸化ヌクレオチド、ADP-ribose、NAD(P)H、FAD、CoAなどを含むヌクレオシド2-リン酸類縁体に対する加水分解活性を有する酵素ファミリーである。本研究では、植物の各オルガネラにおけるNudix hydrolaseによる種々のヌクレオシド2-リン酸類縁体(特に、酸化ヌクレオチド,ADP-ribose,NAD(P)H,FAD,CoAなど)の代謝制御の全容、およびそれらがオルガネラ間の相互作用に及ぼす影響を明らかにすること試みている。 大腸菌相補試験および遺伝子破壊植物体を用いた解析の結果、細胞質局在型AtNUDX1は[8-oxo-(d)GTP pyrophosphatase]は細胞質のヌクレオチドプールを浄化することで、酸化ヌクレオチドの核、ミトコンドリアおよび葉緑体ゲノムへの取り込みを防いでいることが示された。また、細胞質局在型AtNUDX2について、過剰発現および発現抑制株を用いて解析を行った結果、本酵素はポリ(ADP-リボシル)化サイクルから生成する遊離ADP-リボースのリサイクルにより、細胞内エネルギー状態を維持することで酸化ストレス耐性に寄与していることが示された。シロイヌナズナのミトコンドリア型(AtNUDX12〜18)、葉緑体型(AtNUDX19〜24、26、27)Nudix hydrolaseの分子特性の解析の結果、AtNUDX14はADP-ribose(K_m:13.0μM)、AtNUDX15はCoA(K_m:118.7μM)、AtNUDX19はNADPH(K_m:36.9μM)、AtNUDX23はFAD(K_m:9.1μM)を特異的基質とすることが明らかになった。
|
Research Products
(18 results)