2007 Fiscal Year Annual Research Report
外生殖器形成過程におけるZFHX1転写制御因子ファミリーの機能
Project/Area Number |
19040015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東 雄二郎 Osaka University, 生命機能研究科, 准教授 (30181069)
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Keywords | δEF1 / SIP1 / ZFHX1ファミリー / ノックアウトマウス / マウス胚発生 / 外生殖器 / 性分化 / TGFβファミリーシグナル |
Research Abstract |
性分化の一つのプロセスである外生殖器の形成は、雌雄間の交配に直接関連する重要なプロセスである。本研究の対象とする外生殖器の形成異常に関しては、その分子レべルでの研究は最近始まったぼかりであり、これか・ら分子生物学的な解析が必要とされる領域である。我々がこれまで研究を行ってきたZFHX1転写制御因子ファミリ一は、δEF1とSIP1の二種類から成り、両者はBMPを含むTGFβファミリー系のシグナルに関与していることが知られている。これまで我々は、このファミリー因子の生体内、特に発生過程における機能を明らかにするたあに、δEF1およびSIP1遺伝子のノックアウトマウスを作製しその表現型の解析を行ってきた。その結果、δEFIは種々の骨格形成に、SIP1は主に初期胚の神経板や体節の形成に重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。最近我々はSIP1遺伝子の体節および側板中胚葉特異的conditionalKO々ウスを作製し、その表現型の解析を行った。その結果、それらconditionalKOマウスにおいては、雌雄の両性において、100%の浸透度でその外生殖器の形成に異常が生じることを発見した。雄では、陰茎の肥大と露出、雌においては、陰核の肥大と膣口の閉塞を観察した。これらの結果は、最近の分子レベルでの解析から外生殖器形成過程において、BMPシグナル等が働いている可能性が示唆されていることを考え合わせると、大変興味深い。今後はこの結果をもとに、SIP1 conditionalKOマウスを用いて、外生殖器形成過程におけるSIP1遺伝子の機能の解析を行う。さらにδEF1を含あたZFHX1転写制御因子ブァミリーの外生殖器形成過程における機能を明らかにしたいと考えている。本研究によって、性分化の重要なプロセスである外生殖器形成過程の分子機構の解明に貢献できると期待される。
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