2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19040018
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
駒井 章治 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (50420469)
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Keywords | 性的二型性 / 神経 / 局所回路 / 個体動物 / 認知機能 |
Research Abstract |
本研究課題は脳の機能、特に認知機能の性的二型性を明らかにするために、少数の神経細胞に発現する特定分子の発現抑制を行い、同神経細胞群の挙動を個体脳内において観察することを目的としている。具体的には性分化誘導ホルモンであるアンドロゲンやエストロゲンに対する受容体の発現抑制をウイルスベクターを用いたRNAi法により行い、感染した特定少数の神経細胞から選択的に活動を記録し、感覚刺激応答や学習か大事、認知行動課題時における同神経細胞群の挙動を記録解析する。これにより単一細胞レベルでの雌雄の差を認知行動科学的に解析することを目的としている。 本研究課題により遂行される分子細胞レベルにおける認知行動科学の解析により、これまで漠然と理解されていた雌雄の認知行動学的差異が具体的に分子神経科学的に理解されると共に、本研究課題によって得られた研究成果から性同一性障害やこれに類するような病態の理解と改善、治療につながるものと信じている。 現在はアンドロゲン、エストロゲン受体に対するRNAiを組み込んだウイルスベクターを作成していると共に、感染細胞からの記録が可能なシステムの構築を行っているところである。ウイルスベクターには細胞毒性のほとんどないレンチウイルスベクター系を使用する予定である。また観測システムとして研究代表者の駒井が開発の一部を担い、世界に先駆けた手法である個体動物からの特定細胞選択的記録法(in vivo TPTP法)を利用するために、独自の手法により二光子レーザー走査顕微鏡を開発および設置を行っている。同顕微鏡は超広視野且つ高解像度を有する既存の顕微鏡に類を見ない高機能なものとなりつつある。同顕微鏡を利用し、今後前述の機能解析を積極的に行っていく予定である。
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