2007 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドによる内側視索前野・扁桃体弓領域内アロマテースとステロイド受容体制御
Project/Area Number |
19040020
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
篠田 晃 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40192108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 竜太郎 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30335723)
柳井 章江 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20284854)
國分 啓司 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00432740)
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Keywords | 内側視索前野 / 内側扁桃体 / エストロゲン / アンドロゲン / 脳内芳香化 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / 斑点小体 |
Research Abstract |
ラット脳内アロマテース(AROM)は、発現ピークの時期により、胎生仔型、胎生新生仔型、若年成獣型に分類され、とりわけ胎生新生仔型である内側視索前野扁桃体弓(mPOAM)は脳の性分化の中心領域で性ステロイド受容体とAROMの発現に性差がある。本研究の目的はステロイド受容体とAROMの発現分布関係とそのステロイドによる発現制御を明らかにすることにある。平成19年度終了段階において、IHC法とISH法により(1)胎生仔型、胎生新生仔型ではタンパク及びmRNAの発現レベルが相関するが若年成獣型ではMOM mRNAの発現が検出されないこと、(2)ADXとOCXを施したラットに性ホルモンを投与しAROMのタンパク及びmRNAの発現制御を調べると、胎生新生仔型ではアンドロゲンとエストロゲンの両者からup-regulationを受け、若年成獣型では何れの制御も受けず、ステロイド処理によってもそのmRNA発現は検出されないことが示された。この結果から、雄では脳内での高濃度アンドロゲン環境とMOM自身によって生じた局所的高濃度エストロゲン環境により、特に脳の性分化の中心を成すmPOAM等の胎生新生仔型AROMは強く正の制御を受け、そのため雌より強いAROM発現が維持されると考えられた。一方、世界のいくつかの研究グループが信じている若年成獣型AROMの存在の真偽に疑問が提示された。エストロゲン受容体(ER)とアンドロゲン受容体(AR)のステロイドによる制御については現在進行中である。また、脳内辺縁系視床下部に広く分布し、ARに細胞質でリガンド競合性に結合し核内移行制御を示す斑点小体stigmoid body(STB)について、その定義的マーカーであるhPAX-P2Sが、培養細胞内への遺伝子導入でSTBの誘導することが出来るHAP1と同じ分子であることが証明された。
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Research Products
(10 results)