2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19040022
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 聡 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 助教 (10321944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)
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Keywords | 性分化 / 生殖巣 / six1遺伝子 / Six4遺伝子 / 生殖細胞 / 腎臓発生 / マウス / ダブルノックアウトマウス |
Research Abstract |
我々は、Six1/Six4ダブルノックアウトマウスの解析から、腎臓形成においてSix1とSix4が協調的に働くことを報告した(Kobayashi et.al., 2007)。また、Six1/Six4ダブルノックアウトマウスの生殖巣では、それぞれの単独ノックアウトマウスでは観察されない雄から雌への性転換が高頻度(約85%)で観察された。その性転換を起こしたXY型の生殖巣は、雌の生殖巣と同様に生殖細胞の減数分裂分化を支持することから、雄特異的な遺伝子発現が誘導されただけではなく、機能的に雌化していることが明らかとなった。その性分化異常の原因として、雄性分化決定遺伝子であるSryとそれに続くSox9の発現低下が起こっていることを明らかにした(投稿準備中)。胎仔生殖巣の雄性分化には、十分な前駆細胞の細胞数が必須であると考えられている。Sryの発現以前の発生段階におけるSix1/Six4ダブルノックアウトマウス胚では、生殖巣前駆細胞集団を含むAd4bp/Sf1陽性細胞の細胞数が著しく減少しており、その結果、生殖巣及び副腎の矮小化に伴い、性分化異常が起こると考えられる。以上の結果から、Six1とSix4は、胎仔生殖巣の雄性分化において直接的にSryの発現調節に関与しているのではなく、むしろAd4bp/Sf1陽性細胞の誘導に重要な役割を担っているものと考えられる。
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