2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19040025
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
金子 律子 (大谷 律子) Toyo University, 生命科学部, 教授 (00161183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 生化学/疾患プロテオーム, 教授 (80233807)
小川 園子 筑波大学, 人間総合科学研究科・感性認知脳科学, 教授 (50396610)
塚原 伸治 国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 研究員 (90318824)
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Keywords | 神経科学 / 発生・分化 / 脳・神経 / プロテオミクス / 女性ホルモン / 性分化 / 視床下部 |
Research Abstract |
脳の性分化がどのように生じるかについては未だ不明な点が多い。本研究は、様々な脳部位のうち特に形態的雌雄差が顕著である視索前野の性的二型核に着目し、これらの核での性差形成機構の解明を目的としている。 19年度は、ラット前腹側脳室周囲核(AVPV)および視索前野性的二型核(SDN-POA)について、周生期に雌雄の間で発現の違いがある蛋白質および周生期に経時的に発現が変化する蛋白質を網羅的に探索した。具体的には、生後1日目および6日目の雌雄SDラット脳よりAVPVとSDN-POAを顕微鏡下で摘出し、蛋白質を抽出した。次に、抽出蛋白質を蛍光標識し、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動解析(2D-DIGE,24cmゲル)をAVPVおよびSDN-POAについてそれぞれ各ステージごとに7枚ずつ行い、得られた画像から蛋白質プロファイルを定量的に比較した。 その結果、AVPVおよびSDN-POAとも、生後1日目と6日目との間で、あるいは雌雄の間で、発現に差のある蛋白質スポットを複数(50前後)検出することができた。これらの蛋白質は、AVPVおよびSDN-POAで性差形成を担う蛋白質の候補と考えれらる。そこで、これらの蛋白質を同定するために新たに100μg蛋白量で二次元電気泳動を行い、ゲルからそれぞれのスポットをピックした。現在これらのピックしたスポットについてMALDI-TOF-MSを用いて蛋白質同定を行っているところである。まだ数は少ないが、神経細胞の分化に関わると考えられている蛋白質がこれまでに同定されてきている。20年度は更に同定を進め、性差形成機構を担う分子機構を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(12 results)