2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19040025
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
金子 律子 (大谷 律子) Toyo University, 生命科学部, 教授 (00161183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 園子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50396610)
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 生化学, 教授 (80233807)
塚原 伸治 環境研究所, 環境リスクセンター, 研究員 (90318824)
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Keywords | 脳の性分化 / ラット / 臨界期 / 蛋白質 / プロテオミクス解析 / 性的二型核 / mRNA発現 / 時期・部位特異性 |
Research Abstract |
本研究では、脳の性分化メカニズムを性差回路形成期に時期・部位特異的に発現する蛋白質を見つけることにより明らかにしようと試みた。ラット視床下部性的二型核である前腹側脳室周囲核(AVPv)と視索前野性的二型核(SDN-POA)を生後0日および6日に顕微鏡下で採取し、(1)Saturation Cye色素を用いた2D-DIGEとそれに続くMUIDI-TOF/TOF-MS解析、および(2)定性的・定量的ショットガン解析によりプロテオミクス解析を行い、発現量に雌雄差のある蛋白質を検出した。(1)の方法か照10種類、(2)の方法か照50個の雌雄差蛋白質を同定した。さらにrealtimePCR法によりmRNA発現を調べた。その結果、性差形成期にのみ蛋白質・mRNA発現ともに有意な雌雄差をもつ蛋白質として、4種類の蛋白質を見出すことができた。また、同定蛋白質が視床下部で発現していることを免疫染色により確認した。これ照のうち2つは、突起成長制御などに関係するとされるがまだ不明な点が多い、性差形成に関しては全く報告のない蛋白質である。残り2つの蛋白質は、神経細胞での存在が本年1月に報告されたばかりで、神経系での作用は分かっていない蛋白質である。現在、これらの蛋白質について、免疫染色により脳内での局在など調べているところである。本研究により、新しい2つの方法を用いて性差形成関連機能蛋白質を見出した点についても、また実際に同定できた蛋白質に関しても、当該分野の今後の研究に寄与できる成果を得ることができた。
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Research Products
(18 results)