2007 Fiscal Year Annual Research Report
GnRHニューロンの活動性制御機構における性差の解明
Project/Area Number |
19040030
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
渡部 美穂 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 特任助教 (10399321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋倉 淳一 生理学研究所, 発達生理学研究系, 教授 (50237583)
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Keywords | GnRH / KCC2 / GABA / 視床下部 / 神経科学 / カルシウムオシレーション |
Research Abstract |
性周期を制御しているのは、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンである。視床下部に散在しているGnRHニューロンが雌雄でみられるGnRHパルス状分泌や雌のみでみられる排卵を引き起こす周期的なGnRH大量分泌を示すメカニズムは解明されていないが、多数のGnRHニューロンの活動性の同期による可能性が考えられ、Ca^<2+>オシレーションがその基本メカニズムとなりうるか検討を行った。最初にGnRHニューロンの株細胞であるGT1-7細胞を用いてカルシウムオシレーションのメカニズムの解析を行った。その結果、カルシウムオシレーションは電位依存性カルシウムチャネルを介した細胞外からのカルシウム流入であること、GnRHのautocrineにより調節されており、プロテインキナーゼAを介した制御をうけること、電位依存性ナトリウムチャネル、カリウムチャネルが関与していることが明らかになった。また、GnRHニューロンにEGFPを特異的に発現させたトランスジェニックラットを用いて調べた結果、native GnRHニューロンもGT1-7細胞と同様にCa^<2+>オシレーションを示すことがわかった。さらに、GnRHニューロンでは成熟後も抑制性伝達物質であるGABAが興奮性に作用しているが、クロライドイオンを細胞外にくみ出すトランスポーターであるKCC2の強制発現によりGABAの作用を抑制性に変化させると、カルシウムオシレーションが阻害されたことから、GnRHニューロンの活動性同期にはGABAの興奮性作用が関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)