2007 Fiscal Year Annual Research Report
ネガティブストランドウイルスゲノムの複製と転写の分子機構と宿主制御因子
Project/Area Number |
19041012
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 薫 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (00192162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 恭介 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40180492)
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Keywords | ウイルス / 宿主因子 / 分子生物学 / ゲノム複製 / 転写 / RNAポリメラーゼ / 分子シャペロン / リバースジェネティクス |
Research Abstract |
本研究は、ネガティブストランドRNAウイルス(オルトミクソウイルスとしてインフルエンザウイルス、パラミクソウイルスとしてムンプスウイルスや麻疹ウイルス)を対象に、これらのウイルスゲノムの複製と転写に関わる宿主因子(以下、宿主因子)を同定し、これらのウイルスゲノムの複製と転写の分子機構を明らかにすることを目標にした。 インフルエンザウイルスに関しては、複製と転写を再現できる試験管内系を確立して宿主因子の探索と機能解析を進めた。その結果、宿主因子RAF(RNApolymerase activating factors)-1は、ウイルスポリメラーゼサブユニットの核輸送、およびサブユニット集合に関与する分子シャペロンであることを明らかにした。一方、RAF-2は、48kDa(p48)および36kDa(p36)の2分子からなるヘテロ2量体を形成し、NP-RNA複合体形成の促進活性を示ずことを明らかにした。一方、プライマー非依存的な複製反応に関わる2つの宿主因子IREF(Influenza virus genome REplication Factor)-1とIREF-2を得た。IREF-1は、プライマー非依存的な合成の最初期段階でウイルスポリメラーゼの性質を変え、高い伸長能力を持たせる機能を持っていた。IREF-1は宿主DNA複製に関わるMCM複合体と同一であった。他方、系統的な宿主因子の同定を目指して、酵母内インフルエンザウイルスレプリコン系を確立した。この系とsingle-genedeletion酵母ライブラリーを用いて、インフルエンザウイルスゲノム複製に関わり、NPを標的とする宿主因子Tat-SFIを同定した。 ムンプスウイルスに関しては、代表的な実験室継代株であるSBL-1株を用いたリバースジェネティクス系を構築することが出来た。
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Research Products
(29 results)