2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19041027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
萩原 正敏 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (10208423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野木 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (50384871)
野島 孝之 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任助教 (80431956)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / PML / ICP27 |
Research Abstract |
単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2;Herpes Simplex Virus type-2)は世界中に広く伝播しているDNAウイルスで,性器ベルペスを主症状とする。HSV-2のウイルスゲノム複製は宿主細胞の核内で行われるが、HSV-2ゲノムは宿主染色体には組み込まれず、リング状となり、PML(promyelocytic leukemiaprotein,TRIM19)を主成分とするドット状の核内構造体ND10、(PML body、POD)に取り込まれる。PMLは抗ウイルス作用を持つ遺伝子群TRIM(tripartitemotif)タンパク質ファミリーの一員であり、PMLはHSV-2に対してウイルス増殖抑制作用を有する。ND10はHSV-2複製を抑制する場と考えられるが、その形状は感染が進むにつれて変化し、ND10様の核内構造体が構成され、その場でウイルスゲノムの複製が行われるようになる。ND10がウイルス複製という事象に何らかの重要な役割を果たしているのは明らかであり、ウイルス感染によってND10の性状が変化することから、我々はPMLタンパク質の性質がHSV-2感染によって変わるのではないかと考えた。 本研究では当初、HSVのコードするICP27が、宿主mRNAの5'末端キャップ構造複合体(CBC)と相互作用しSR蛋白質のリン酸化を制御することを見出し、ウイルスRNAのCBC構成成分と核外輸送との連関について解析を行っていたが、その途上、ICP27が前記のPMLの選択的スプライシングに影響を与えることに気づいた。非感染状態の細胞ではI型とII型PMLを主に発現しているが、HSV-2感染細胞ではV型が主に発現する。ICP27はPML mRNAをII型からV型へ変換していることが判明した。
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