2007 Fiscal Year Annual Research Report
E1A誘導性クロマチン制御因子による感染増殖阻止機構の解析
Project/Area Number |
19041069
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
横山 和尚 The Institute of Physical and Chemical Research, 遺伝子材料開発室, 室長 (80182707)
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Keywords | JDP2 / アランニン置換 / ヒストンシャペロン / 転写制御 / 核内移行シグナル / JDP2会合複合体 / アデノウイルス / サイトメガロウイルス |
Research Abstract |
<成果の内容> EIA誘導性クロマチン制御因子JDP2の構造と機能を明らかにするため、研究計画にそって実験を行い、以下の点を明らかにした。 1.JDP2の全アミノ酸連続アラニン置換変異体を使用して(1)DNA結合領域を塩基性領域(アミノ酸残基70-102)(2)二量体形成領域をZipper領域(アミノ酸102-135)(3)ヒストン結合領域(アミノ酸35-70)(4)ヒストンアセチル化阻止領域(アミノ酸35-102)(5)ヒストン・ヌクレオソーム形成促進領域(アミノ酸35-102)(6)転写制御領域をアミノ酸35-102領域(7)分化制御領域(アミノ酸35-135)を決定した。(8)のウイルス増殖阻止領域のマッピングは次年度へ継続する。 2.JDP2の核内移行シグナルNLSをアミノ酸74-79に、核外排出シグナルNESをアミノ酸114-123と128-152に同定し、その局在性を明らかにした。 3.JDP2を含む転写因子複合体をHeLa-S細胞核抽出液より精製し、質量分析法により会合分子を同定した。JunB,JunDのAP-1ファミリーの他、未同定の蛋白質を数種類同定した。 4.JDP2の野生型及び148位のリン酸化部位変異体を用いて、アデノウイルスの293細胞に対する殺効果能を解析し、148位のリン酸化の重要性を検証した。 5.ウイルス感染阻止を解析するため、CMV-Creマウスを作製し、発現の異なる3系統を樹立した。 <意義> JDP2蛋白質のドメイン解析を通じて、DNA結合とクロマチン、ヒストンとの会合領域を明らかにした。これによりウイルスプロモーターの抑制機構を分子レベルで把握できる様になる。 <重要性> サイトメガロウイルス感染初期、及び後期のウイルス増殖におけるJDP2の分子的理解のため、CMV-Creのマウスを作製できたことは感染防止研究に重要である。
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Research Products
(8 results)