2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規プロトン輸送ピロホスファターゼの結晶構造解析と展開研究
Project/Area Number |
19042012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前島 正義 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80181577)
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Keywords | プロトンポンプ / 液胞膜 / エネルギー共役 / H^+輸送ピロホスファターゼ / 亜鉛輸送体 / イオン交換輸送体 |
Research Abstract |
新規なエネルギー転換酵素であるH^+輸送ピロホスファターゼ(H^+-PPase)およびプロトンポンプと機能共役する亜鉛輸送体(Zn^<2+>/H^+交換輸送体)の構造を基盤とする作動機構ならびにイオン濃度感知機構を解明することを目的とした。 今年度、プロトンポンプH^+-PPaseについて、放線菌酵素(構成アミノ酸794個)を対象にして、C端側の機能への寄与について解析し、C端の最後の膜貫通領域の欠失は酵素機能を損なうが、C端23残基は活性に影響ないことを明らかにした。。このC端領域は放線菌固有であり、菌体での酵素活性調節への寄与があると推測した。さらに変異酵素の中に高機能型分子を見出した。この酵素の細胞質側に位置するPhe-388をTyrに、Ala-514をSerに置換すると、それぞれ基質分解活性が20%、60%増大し、H^+輸送活性は2倍、4倍に増大し、エネルギー共役効率が2倍となった。おそらくH^+/PPi比の値が1から2に変化したためと推測される。Zn^<2+>/H^+交換輸送体の細胞質側のヒスチジン残基に富む領域(His領域)について、輸送基質亜鉛の濃度感知に関わると推測し、個々のHisをAlaに置換した変異酵素を作成して各Hisの寄与を検定した。個別残基ではなく、10個以上のHisの共同作業により亜鉛濃度感知、亜鉛輸送が達成されると推測された。
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Research Products
(10 results)