2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19042014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 博幸 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (10243271)
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Keywords | SecA / SecY / E / 1分子計測 / タンパク質膜透過 / 平面膜 / 前駆体タンパク質 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
SecY/E膜透過チャネル、膜透過駆動モーターSecA ATPaseの機能単位に関しては激しい論争が続いており、未だに明確な解答は得られていない。本研究は、蛍光一分子計測系を駆使して、この問題を解明する事を目指している。研究材料としては、安定でサンプルの調製・取り扱いが容易な高度好熱菌由来の膜透過チャネルとそのモータ因子を利用することとした。測定は、平面膜の一分子計測の世界的権威である、大阪大学産業科学研究所の野地博行博士との共同研究で進めている。高度好熱菌由来のSecY/E複合体(TSecY/E)、並びにSecA ATPaseのシングルCys変異体を作製・高度に精製し、蛍光プローブCy3により定量的に標識した。標識TSecY/E, SecAが未標識酵素と同程度の活性を保持していることを、再構成proteoliposomeを用いたin vitro膜透過実験により確認した。これらの標識膜透過チャネルを再構成したproteoliposomeを顕微鏡視野下に張った平面膜と融合させ、蛍光プローブを指標に、膜透過チャネル、SecA ATPaseの挙動を一分子レベルで追跡する実験を進めている。現段階では、膜透過チャネルは、平面膜上では、monomerとして挙動し、SecAの結合により、そのオリゴマー状態に変化は見られないものの、蛍光強度が増加する傾向が観察された。SecAの結合により、膜透過チャネルが構造変化を起こしたものと考えられる。同時に、膜透過タンパク質基質の蛍光体も調製し、膜透過反応の一分子観察も試みている。
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