2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19042018
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
竹内 正之 National Institute for Materials Science, ナノ有機センター, グループリーダー (70264083)
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Keywords | 分子モーター / 分子認識 / 超分子化学 |
Research Abstract |
ダブルデッカー型ポルフィリン錯体(DDP)をベースにし、一方向に回転する人工分子の作製に取り組むと同時に、研究を推進する上で必要となる認識に伴う振動制御を行った。振動制御においては、NMRのタイムスケールで振動するDDPの周辺にゲスト分子認識能を有するポルフィリンを4分子配置した化合物を合成し、ジアミンとの錯形成能を検討した。錯形成は非線形応答で知られるアロステリズムを発現しながら進行し、2つのポルフィリン2組で2分子のジアミン分を錯形成することが明らかとなった。その結果、10℃において120 s^<-1>で振動(△G^‡(283K)=14 kcal/mol)していた分子ローターの振動数は認識にともない60℃で80 s^<-1>(△G^‡(333K)=17 kcal/mol)にまで減少することを確認した。このことは今後、1分子観察を行う上で重要な知見を与えるものを考えられる。 基盤に固定化し、さらには磁気ビーズおよび蛍光発色団を付与できるDDPの合成に取り組んだ。上下のポルフィリンを異なる置換基で修飾することによりさらに、大きなプローブ(ビーズ)と小さなプローブ(蛍光色素)を用いてDDP 1分子の回転運動を直接可視化するためである。DDPの回転速度は設計段階でヒューマンタイムスケール(10mSec〜msec)にしておくために置換基の結合様式をアセチレンとするかどうかを検討したが合成上の困難さから、通常のアリール基を基盤とする分子とした。今後、基盤との相互作用のためのHisタグを導入する。
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