2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19042019
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
木田 祐一郎 University of Hyogo, 大学院・生命理学研究科, 助教 (10423899)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 雅郎 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (30205736)
|
Keywords | 膜タンパク質 / シグナル配列 / 膜トポロジー / 生体膜 / タンパク質膜透過 / オルガネラ / トランスロコン |
Research Abstract |
1.小胞体における膜タンパク質の膜への組み込みは,トランスロコンと呼ばれるタンパク質膜透過チャネルを介して行われる。ポリペプチド鎖がトランスロコンを通過する際の挙動解析を目的として,粗面小胞体を添加した無細胞タンパク質合成系において膜透過を任意に停止・再開できる新規制御系を構築した。またこの膜透過制御系を利用して,膜貫通配列2本および膜透過途中の親水性配列2本が膜を貫通したままの複雑な膜組み込み中間状態を形成できた。この2本の親水性配列が共にトランスロコン本体であるSec61複合体と近接していることも,分子間架橋実験より明らかとなった。以上の結果は,トランスロコンが単一のSec61チャネルのみでは説明できないほどフレキシブルであり,多くのポリペプチド鎖を許容できることを示唆している。(Kida, et. al.,J.Cell Biol.179, 1441-1452, 2007) 2.膜タンパク質は,各膜貫通配列が順次トランスロコンから脂質環境へと横方向に送出されることで膜に組み込まれていく。膜貫通配列の膜脂質すなわち疎水環境への配置を,部位特異的に導入したシステイン残基に対するマレイミド試薬の反応性から検定する実験系を立ち上げた。この系を用いて,アミノ末端を透過させる膜貫通配列の膜脂質への移行とアミノ末端側ドメイン膜透過との同期性について解析を行っている。 3.小胞体内腔の可溶性タンパク質,カルレティキュリン分子内の2箇所に糖鎖付加サイトを導入し,無細胞タンパク質合成・膜透過系にて糖鎖付加のタイミングの差より膜透過速度を測定する実験系を構築した。また,この2点間に正電荷配列を導入することで明らかな膜透過速度の低下が観察できており,正電荷配列が透過中一過的に細胞質側でトラップされる可能性が示された。
|
Research Products
(5 results)