2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19043008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衛 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (50260039)
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Keywords | シロイヌナズナ / 花粉 / エキシン / 突然変異体 / 分子シャペロン / 分子進化 |
Research Abstract |
1.エキシンの構造が異常になる突然変異体kaonashi (kns)のスクリーニングと解析 EMSで変異を誘導したシロイヌナズナをスクリーニングし、花粉表層のエキシンの構造に異常を示す突然変異体を12個単離して、kns1〜kns12と名付けた。構造の特徴に基づいて分類したところ、(1)エキシンの構造が全体に崩れ、ひだ状またはドーム状のエキシンを形成するもの、(2)円柱が短くなり、その結果エキシンが薄くなるもの、(3)テクタムの形成がうまくいかず、エキシンの網目が不完全になるもの、(4)網目の大きさが異なるもの、の四つのタイプに分類できることがわかった。いずれも劣性変異であることから、二倍体の細胞すなわちタペート細胞または減数分裂前の花粉母細胞で働く遺伝子の変異であると考えられる。それぞれの代表としてまず、構造全体が壊れるkns1,網目が小さくなるkns2,エキシンが薄くなるkns4の4個の変異体を選び、マップベースクローニングによる遺伝子の同定を試みた。すでにKNS4遺伝子は同定することができており、KNSI遺伝子とKNS2遺伝子についてもまもなく同定できる見込みである。今後は、さらに他の変異体の原因遺伝子の同定を進めるとともに、同定した遺伝子の機能を詳しく解析していく予定である。 2.SHEPHERD(SHD)とCLAVATA2(CLV2)の相互作用の解析 Col系統の持つ受容体タンパク質CLV2-Colは分子シャペロンSHDの活性によらず機能を持つが、Ws系統のCLV2-WsはSHDが野生型でないと機能を持たない。そこで、CLV2-ColとCLV2-WsのキメラのCLV2を作製し解析したところ、SHD依存性の原因となるアミノ酸置換を同定することができた。
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