2007 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの受精過程におけるHD-GL2型転写因子群の機能解析
Project/Area Number |
19043012
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 卓 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20271710)
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Keywords | シロイヌナズナ / 表皮細胞 / 生殖器官 / 突然変異 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
HD-GL2ファミリーは植物に特有のホメオドメインを持つ転写因子の一群で、その多くの遺伝子が茎頂最外層や表皮細胞で強く発現する。本研究では、花器官の特定の組織や細胞で発現しているHD-GL2遺伝子遺伝子について、生殖過程における機能の解明を目指す。本年度は以下の結果を得た。 (1)欠損変異体の解析 表皮細胞分化において中心的な役割を果たすと考えられるPDF2の変異体pdf2-1と、HD-GL2ファミリーのその他のメンバーの変異体の交配からそれぞれ二重変異体を作成したところ、多くの組み合わせで稔性の低下が認められた。観察の結果、花糸の伸長欠損の他、心皮の伸長欠損や花のABCモデルのB機能欠損同様のホメオティック変異、すなわち雄蕊の心皮化などの異常が認められた。 (2)反足細胞で特異的に発現するHDG2遺伝子のプロモーター解析 HDG2遺伝子は胚のう形成後、反足細胞において特異的に強く発現していることから、その発現調節領域の同定を目指して、プロモーター領域の欠失変異体シリーズを作成した。形質転換殖物におけるGUSレポーターを用いた発現解析を行った結果、反足細胞における発現に必要なシス領域を約50bpに限定することができた。この領域には、以前に茎頂L1層に特異的な遺伝子の発現に関わるシス配列として同定していた、L1ボックス配列の存在が認められた。このL1ボックス配列に変異を導入したプロモーターにGUS遺伝子をつないだところ、作出した形質転換埴物でGUSの発現がみられなかったことから、反足細胞における発現にL1ボックス配列が必要であることが強く示唆された。
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