2008 Fiscal Year Annual Research Report
発生におけるタンパク質分解制御機構とその意義の解明
Project/Area Number |
19044004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 啓子 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10361073)
舟山 亮 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20452295)
山田 秀俊 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70511955)
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Keywords | たんぱく質 / 発現制御 / 発生・分化 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
β-TrCP1ノックアウトマウスは、正常に産まれ、生命予後に異常はなく、正常に子孫を維持することが可能であった。β-TrCP2ノックアウトマウスは、胎生8.5日より成長が停止し、胎生9.5日では、心嚢や頭部のバルーン状の拡張が見られた。そして、血管の内皮細胞の免疫染色からリモデリング不全が認められた。 そこで、胎生8.5日目のβ-TrCP2ノックアウトマウスを詳細に観察するために、病理切片による免疫染色を行った。その結果、β-TrCP2ノヅクアウトマウスは、細胞周期の異常は認められないものの、特に胚後部に強くアポトーシスが観察された。この部位は、レポーターマウスを用いた際に観察されるβ-cateninの活性が高い部位と一致していた。 β-TrCP1とβ-TrCP2の相補性を調べるためには、ダブルノックアウトマウスの表現型の観察を試みた。その結果、ダブルノックアウトマウスは、胎生7.5日目には、観察されるものの、明らかにβ-TrCP2シングルノックアウトマウスに比較し矮小であった。このことは、β-TrCP1とβ-TrCP2の間に相補性があることを示している。しかしながら、胎生7.5日目の死亡原因については、未だ不明である。 また、β-TrCP1とβ-TrCP2の相補性を調べるためには、ダブルノックアウトES細胞の樹立を試み、β-TrCP2のノックアウトES細胞の樹立には成功した。β-TrCP2ノックアウトES細胞は、試験管内分化誘導系によって、神経前駆細胞へ分化できることを確認した。また、ヌードマウスに移植し、奇形腫形成能を調べたところ、三胚葉へ分化できることが観察され、β-TrCP2は、何らかの特異的な胚葉形成に必須な分子では無いことが判断した。
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Research Products
(10 results)