2007 Fiscal Year Annual Research Report
脱ユビキチン化酵素AMSH、AMSH-LPによるタンパク質分解機構の解明
Project/Area Number |
19044005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 Tohoku University, 大学院・医学研究科, 准教授 (60291267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸幸 宮城県がんセンター, 研究所, 部長 (60280872)
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Keywords | ユビキチン化タンパク質 / タンパク質分解 / 脱ユビキチン化酵素 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
生体を構成するタンパク質は細胞内でそれぞれ固有の寿命を有しており、その寿命は主にユビキチン修飾過程と、それに連続するプロテアソームあるいはライソソームでの分解過程によって制御される。本研究者は以前より、脱ユビキチン化酵素AMSHの遺伝子欠損マウスを作製・解析したところ同マウスが神経変性疾患を発症することを見出した。さらなる解析により、AMSH欠損マウスの変性神経細胞内にユビキチン化タンパクが蓄積していることが分かった。これらの事実は、脱ユビキチン化酵素AMSHが、基質タンパク質のタンパク分解を制御することにより、神経細胞生存・維持に重要な役割を担っていることを示唆する。また、申請者はAMSHのファミリー分子AMSH-LPを遺伝子単離したが、最近の実験結果より、AMSH-LPがAMSHと同等の脱ユビキチン化酵素活性を有することが判明した。そこで、本研究では、脱ユビキチン化反応と神経変性疾患の関連性を解明する上で有用な動物モデルであるAMSH欠損マウスを用いて、脱ユビキチン化酵素AMSH、AMSH-LPのユビキチン化タンパク質分解制御機構の解明を目的とした。本年度の解析により、AMSH欠損マウスの変性神経内部にユビキチン化タンパク質が大量に蓄積することが明らかたなった。本知見は脱ユビキチン化酵素AMSHがユビキチン化タンパク質蓄積を抑制する役割を有することを示唆する。他方、AMSH-LP欠損マウスを作製したが、1歳齢までの観察では明らかな神経変性疾患の発症は見られなかった。AMSHとAMSH-LPには機能的相違が存在するものと考えられた。
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Research Products
(14 results)