2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型ATP依存性メタロプロテアーゼFtsHの一分野解析
Project/Area Number |
19044015
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寿野 良二 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (60447521)
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Keywords | プロテアーゼ / X線結晶構造解析 / ナノバイオ / 酵素 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
(1)FtsHのX線結晶構造解析 細胞質ドメインFtsHや全長FtsHを用いて、様々なヌクレオチド結合状態の結晶化条件をスクリーニングした。その結果、新規なヌクレオチド条件でいくつか結晶が得られた。これらの結晶を用いて構造解析することにより、FtsHの新規な構造情報が得られ、ATP加水分解サイクルと基質とりこみ機構の分子メカニズムが明らかになると期待される。 (2)FtsH基質とりこみ機構に関する変異体解析 申請者が決定したFtsH構造によって、基質の取りこみに重要であると考えられる領域の構造が明らかとなった。特に基質の通る経路が予測でき、基質の結合部位やとりこみに重要と考えられるループ構造の存在が確認された。それらの領域付近での様々な変異体を作成し、活性の変化から基質送り込みやATP依存的な基質分解における重要性を検討した。19年度ではプロテアーゼ活性部位に覆い被さっているlid-helixと呼んでいるヘリックスの構造変化がFtsHの機能に必須であり、その中でも重要な残基を決定することができた。 (3)一分子蛍光偏光観察によるFtsHの構造変化の解析 一分子蛍光偏光観察に用いる変異体を作成し、そのキャラクタリゼーションを行っていくつか一分子実験に適した変異体の候補をスクリーニングした。これらに蛍光色素をラベルしてエバネッセント顕微鏡で観測し、一分子の輝点を観測することができた。シグナル変化で観測する実験系を構築する。顕微鏡観察は共同研究者である学習院大学西坂研で行った。
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