2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19044016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 暢宏 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (50294955)
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Keywords | ミトコンドリア / ゴルジ体 / 定量 / リソソーム / 酸性化 |
Research Abstract |
まず、ミトコンドリア標的シグナル配列を付加したGFPを用いミトコンドリアを標識したCHO細胞を作成した。間期の細胞をアミノ酸飢餓やラパマイシンで処理し、GFPの蛍光を蛍光分光光度計で定量的に測定したところ、時間依存的なGFPの蛍光の減少が見られた。ウェスタンブロッティングでGFP融合タンパク質の経時的変化を観察したところ、アミノ酸飢餓やラパマイシン処理でGFP融合タンパク質が減少していることが確認された。共焦点顕微鏡を用いて観察したところ、アミノ酸飢餓やラパマイシン処理でGFPとリソソームの共局在が観察された。したがって、アミノ酸飢餓やラパマイシン処理によってオートファジーを介したミトコンドリアの分解が誘導されることが示された。蛍光分光光度計を用いてGFPの蛍光を測定するアッセイ系を用いてオートファジーを定量的に解析することが可能となったので、つぎにこのアッセイ系を用いて、経時的なオートファジー誘導のプロファイルを解析した。アミノ酸飢餓では3時間後に急峻な分解を示したのに対して、ラパマイシン処理では、12時間後まで緩やかな減少を示した。したがって、オートファジーの誘導刺激の違いによってオートファジーによるオルガネラ分解速度に差が見られることが明らかとなった。次に、オートファゴソームとリソソームの融合を共焦点顕微鏡を用いて形態学的にモニターし、オートファゴソームとリソソームの融合のメカニズムを解析した。塩化アンモニウムやクロロキンを用いてリソソームの酸性化を阻害すると、オートファゴソームとリソソームの融合の阻害が観察された事から、オートファゴソームとリソソームの融合にリソソームの酸性化が必要であることが明らかとなった。
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