2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19044019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 均 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 淑人 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50362223)
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Keywords | 受精 / 酵素 / タンパク質 / 動物 / 発生・分化 / ユビキチン / プロテアソーム / ウニ |
Research Abstract |
上記研究課題に従い、当初の実験計画をほぼ完了したので報告する。ウニ精子プロテアソームの受精における役割を検討した。材料としては、主にアカウニを用いた。プロテアソーム阻害剤であるMG-132はアカウニの受精を強く阻害したが、キモスタチンやロイペプチンは、100μMで阻害効果を示さなかった。次に、3種のプロテアソーム基質による阻害を調べたところ、Boc-Leu-Leu-Glu-MCAが受精を強く阻害するが、キモトリプシン活性の基質であるSuc-Leu-Leu-Val-Tyr-MCAは100μMで有意な阻害効果を示さなかった。プロテアソームが先体反応に関与する可能性が指摘されているが、その詳細な解析は行なわれていない。そこで、プロテアソームの先体反応における関与について検討した。その結果、卵ゼリーにより誘起される先体反応はMG-132で阻害されるが、カルシウムイオノフォアA23187により誘起される先体反応は阻害されないことから、卵ゼリー刺激からカルシウム流入に至る過程でプロテアソームが関与することが示唆された。次にライシンの可能性について検討した。まず、精子の固定卵への結合に及ぼすMG-132の効果を調べたところ有意な差は見られず、精子の卵黄膜への結合にプロテアソームが関与する可能性は低いと考えた。そこで、先体反応を誘起させた精子の卵ゼリー除去卵の受精に及ぼす影響を調べたところ、MG-132によって阻害されることが示された。3種のプロテアソーム基質を用いて活性測定し、受精阻害スペクトルと合致する活性を調べたところ、Boc-Leu-Leu-Glu-MCAの活性に対する阻害パターンと一致した。また、精子先体反応内容物中には、プロテアソーム活性と抗体で検出される抗原が存在することが示された。以上の結果は、ウニ精子先体胞内にプロテアソームが存在し、受精時の先体反応に伴って表面に露出または放出され、卵黄膜成分の分解に関わる可能性が高いと思われる。
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[Journal Article] Mechanism of self-sterility in a hermaphroditic chordate.2008
Author(s)
Harada, Y., Takagaki, Y., Sunagawa, M., Saito, T., Yamada, L., Taniguchi, H., Shoguchi, E., and Sawada, H.
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Journal Title
Science 320
Pages: 548-550
Peer Reviewed
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