2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼ複合体による小胞体関連タンパク質分解機構の研究
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19044022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 暢子 Kyoto University, 再生医科学研究所, 准教授 (00263153)
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Keywords | 小胞体タンパク質分解 / ユビキチンリガーゼ / 小胞体品質管理 / 糖タンパク質 / 小胞体 / 小胞体シャペロンタンパク質 |
Research Abstract |
小胞体関連分解(ER-associated protein degradation ; ERAD)は、小胞体内でミスフォールドしたタンパク質がサイトゾルへ引き出された後、ユビキチン化を受けてプロテアソームで分解されるシステムで、細胞や個体における恒常性維持に重要であると共に、ERADの破綻は様々な病態と関連していることが知られている。酵母小胞体膜に存在するユビキチンリガーゼ(E3)であるHrd1pは、ERADを担う重要な分子である。アウス、ヒトなどの哺乳類には、2つのホモログタンパク質、HRD1/synoviolinとgp78(glycoprotein 78)/AMFRが存在する。そこで本研究において、まずHRD1とgp78が形成する小胞体膜E3複合体の構成因子に違いが見られるかどうかを検討した。その結果私たちは、HRD1/SEL1L(酵母のHrd3pホモログ)を中心に、Yos9pのヒト・ホモログである2つのレクチンタンパク質XTP3-BとOS-9が、小胞体シャペロンタンパク質であるBiPをも含めた大きな複合体を形成していることを見いだした。この複合体の機能解析の結果、糖タンパク質のERADのみならず、糖鎖をもたないミスフォールドタンパク質の分解も制御していることが明らかになった。一方、gp78は、この複合体には含まれておらず、従ってHRD1/SEL1Lとは異なる機能を担っていると考えられた。引き続いてOS-9のレクチンドメインが、どのような構造のN結合型糖鎖を認識するのかを検討した。その結果、OS-9は、Cアームのマンノースがプロセスされた糖鎖構造を認識することが明らかになった。即ち、分解基質のもつ糖鎖構造と、その認識分子を明らかにすることができ、糖タンパク質の小胞体関連分解において、新たな概念を確立することが出来た。
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Research Products
(5 results)