2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患、特にリソゾーム蓄積症の病態形成にオートファジーが果たす役割について
Project/Area Number |
19044023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池 正人 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (80347210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 昌宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10343253)
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Keywords | リソソーム / オートフアジー / カテプシン / ノックアウトマウス / GROD / LC3 / A170 / p62 / SOSTM1 / ユビキチン |
Research Abstract |
カテプシンD欠損マウスでは神経セロイドリポフスチン蓄積症の診断基準であるgranular osmiophilic deposits(GROD)が蓄積する。このGRODは分解されない基質を有し、細胞質の一部と共に、二重膜構造を持つオートファゴソームにしばしば取り込まれる。すなわち、GROD自身がオートファジーを誘導し、これが異常なリソゾームの蓄積に寄与する可能性を示唆している。私達は、1)光顕的に検索すると神経細胞内のLC3陽性の顆粒状構造物にユビキチンとA170/p62/SQSTMI(p62)が共存すること、2)凍結超薄切片を用いた免疫電顕により、GRODの膜表面にユビキチン、p62の両者が局在すること、を見いだした。このことは、ユビキチン-p62複合体が隔離膜上のLC3と会合することで効率的にGRODをオートファゴソームに取り込む機構の存在を示唆し、その機構の繰り返しによって病態が形成されることを示している。以上を更に検証するため、3)中枢神経系特異的Atg7ノックアウトマウスとカテプシンD欠損マウスとのダブルノックアウトマウスを作成して解析した結果、同マウスはカテプシンD単独欠損マウスと同様の生存期間を有し、神経細胞には、GROD自身は依然存在するが、やはりそのGRODを隔離するように特殊な二重膜が不完全に取り囲み、その膜自身は粗面小胞体と連続していることが分かった。これらの結果は、隔離膜の由来を考える上で重要な所見であり、さらに解析を続けている。
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